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~MBA生は営業をどう学ぶべきか? 外資IT営業の現場から見たリアル~ チャレンジャーベース株式会社 市川慶氏インタビュー

まえがき

私たちIESE日本人在校生は、魅力的な生き方をされている方にインタビューをし、自分たちのキャリアを見つめ直す機会とし、また日本の皆さまにも考えるきっかけを作りたいと考えています。

今回は、大学卒業後にフリーター&バックパッカーの期間を経て外資系IT企業の日本法人に入社し、Tableau SoftwareやMedalliaなどで営業として10年以上にわたり経験を積んだ後、IE Business SchoolでMBAを取得。2021年にチャレンジャーベース株式会社を創業し、現在はCEOとして日系・外資IT業界への転職支援やキャリア教育メディア「Challengers Academy」の運営を通じ、日本の20代・30代の年収向上とキャリア形成支援に取り組んでいる市川慶さんにお話を伺いました。

一般的にMBAでは営業を教えないですが、MBA後のキャリアで営業に特化したキャリアを選んだのはなぜでしょうか?MBAで培ったものは今の仕事に活きていますか?

僕の場合、MBAの「後」に営業を選んだというよりは、もともとずっと営業なんですよね。シンガポールで外資ITの営業キャリアをスタートし、Autodesk、Tableauと渡り歩いてきて、その途中でIE Business SchoolにMBAを取りに行きました。

卒業後は起業も考えていて、実際に在学中からプロダクトのアイデアを温めていたんですが、これがこけまして(笑)。そうなると、まずはしっかり稼ぐ必要がある。仕事を探した際に、自分を最も高く評価して報酬を提示してくれたのが営業職だったので、自然とそこに戻りました。

MBAの経験が活きている点は、大きく2つあります。1つ目は異文化チームでの協働です。MBA後にMedalliaという会社の日本法人立ち上げに1人目の社員として入ったのですが、上司も同僚も外国人という環境で、文化やビジネスの進め方の前提が全く違う人たちとチームを組んで動く必要がありました。今の仕事でもクライアントは外資が殆どでして、対面は外国の方がメインとなります。IEは世界中から学生が集まる学校なので、まさにその予行演習ができていたと思います。

2つ目はプレゼン力です。英語での採用面接で、役員陣を前に30分間のプレゼンと質疑応答をやる場面がありましたが、MBAで数え切れないほどプレゼンをこなした「場数」が、大きな自信を与えてくれました。

法人営業には、顧客接点を設計してその後の動線を引くなどサイエンス的な部分があり、MBAとの相性が良いという見方もできると思います。MBA留学前後のご自身の成長・変化をどう思いますか?

正直なところ、「MBA前後でそんなに変わったかな」というのが率直な感想です。人生の夏休み的な位置づけでMBAに行った側面もございまして。(笑)

もちろん、個別の知識は身につきましたし、議論する力も向上したとは思います。ただ、自分の中で劇的な変化や成長があったかと言われると、そこまでの実感はありません。

法人営業とMBAの相性が良いかどうかという点については、相性が良い部分もあるとは思いますが、僕自身に関して言えば、MBAに行ったから営業が劇的に上手くなったということはなかったですね。営業力はやはり現場で培うものだという感覚が強いです。

では、MBAで営業は教えられるか?というと、ある程度は教えられるとは思いますが、特に日本ではそもそも営業やりたくない人(数字責任を負いたくない人)が多いですよね。また、特にSaaSの営業ではある意味“営業の型”が作りやすいのは事実だと思いますが、それは営業担当というよりはどちらかというとマネジメント層がマネジメントし易くするためのものだと思います。

外資Tech企業のカントリーマネージャーを目指すMBA生に向けて、どういう能力・実績が問われますでしょうか?

僕自身にはカントリーマネージャーの経験はないので、あくまで外から見ている立場での話になります。

まず前提として、外資テック企業のカントリーマネージャーというのは、実質的には日本法人の営業部長という側面が非常に強いです。

外資テック企業は基本的に本社でプロダクトを作り、それを世界中で売るというモデルで動いています。日本のカントリーマネージャーは、あくまで「日本で売る人」、あるいは「売るための組織を作って運営する人」です。ですから、自分自身がセールスをできること、セールスに抵抗がないことは大前提だと思います。加えて、もしマネージャーが営業ができなければ、ほぼ確実に営業担当に舐められる、というのが現実だと思います。言ってしまえば、猿山の中でボス猿に上り詰めた人でないと難しいと思います。

一方で、戦略を考えること、組織を作っていくこと、ソフトスキルを含めたリーダーシップも当然重要です。グローバル本社との関係構築も求められるので、そういった部分ではMBAで培った経験が活きる場面はあるのではないでしょうか。

1MBAと営業 2MBAと起業

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