Class of 2019のKTです。
今日はIESEにいらしたゲストスピーカーについてお話をさせて頂こうと思います。
IESEにはそれこそ毎週のようにインダストリー、ファンクションの異なる様々なゲストスピーカーがいらしていますが、今回はその中でも株式会社経営共創基盤代表取締役CEOの冨山さん、アーセナルFC元監督のアーセン・ヴェンゲルがいらした際のお話をさせて頂こうと思います。
経営共創基盤代表取締役CEO冨山和彦氏
冨山さんにはMBA学生全体に向けたGlobal Speaker Seriesに登壇頂き、”Innovator’s Dilemma of Nations and Lessons from Japan’s Lost 25 years”というテーマでお話を頂くと共に、日本人学生を対象に、少人数での座談会の機会を頂くことが出来ました。
Global Speakers Seriesでのお話も非常に興味深かったのですが、特に座談会では突っ込んだお話を聞くことが出来て、非常に有意義でした。自分の主観が完全に入っていますが、私が特に印象に残っている言葉としては、
・意思決定の際には必ず不確実性が伴う。リーダーはその不確実性を背負う覚悟を持っている必要がある
・リーダーが発する言葉の中身も大切だが、「誰」が言うかも非常に大切だったりする
・30代半ばまでは、自分の選択肢を広げるようなキャリアを選択していった方が良い。10のうち8-9は無駄になるかもしれないが、今振り返ってみるとその無駄なことが糧になっていることもある
その他にも勇気づけられる言葉、気が引き締まる言葉、色々と心に残ったことはあるのですが、自分がどういうキャリアを歩むべきか、どういう人間でありたいかをまさに考えているところでもあり、これらの言葉は特に心に響きました。
アーセナルFC元監督アーセン・ヴェンゲル
もう一人は、イングランドプレミアリーグの強豪アーセナルFCで22年間監督を務め、Jリーグ名古屋グランパスでも指揮していたアーセン・ヴェンゲルです。
IESEの教授が主にリーダーシップ関連の質問をしながらそれに対して、ヴェンゲルが答えるというスタイルで進行していき、質疑応答も含めて約1時間半。
私は高校生までサッカーをやっていて、サッカー選手になりたいという無謀な夢を持っていたこともあったので、話を聞くことが出来て、更に握手も出来て感激もひとしおでした。
印象に残った言葉を乱暴ではありますが、要約してお伝えすると
・リーダーの資質として、謙虚さ、信念、ストレスにうまく対処できること、そして挫折から立ち上がることができること。これらは相互に関連していて、どれが欠けてもダメだが、これらは訓練次第でどうにでもなるもの
・リーダーは、意思決定をする最後の瞬間まで、誰に対してもオープンである必要がある。
・リーダーはどうしても嫌われるし、孤独な仕事でもあるが、それでも部下を気にかけることが大切
・真のプロフェッショナルというものは、強いプレッシャー下でも常に同じパーフォマンスを発揮できる人
・周りが反対したとしても、Right Attitudeを持っている選手は起用した。ジョージウェア(リベリアの怪人を呼ばれ、FIFA最優秀選手賞なども獲得、現在、リベリア大統領)は、当時人種差別に晒されており、起用に反対する人もいたが、Right Attitudeを持っていて、絶対に起用するべきだと信念を貫いた
スポーツは本当にリーダーシップを学ぶには最適だという体育会系的な発想を持っていた筆者には刺さる言葉ばかりでしたし、選手や他の監督の裏話なども話題に出ることはなく(サッカーファンとしては、犬猿の仲だったファーガソン監督をどのように思っているのか聞いてみたりしたかったのですが)、また講演の後にも気さくに握手や写真撮影に応じてくれて一層ファンになりました。
ちなみに日本人の1年生が日本と欧州の違いについて質問をした際には、「欧州ではトレーニングをきちんとするようにEncourageする必要があるが、日本ではトレーニングをやめるようにEncourageする必要がある」と言って会場から笑いをかっさらっていくと共に、「日本人は本当にリスペクトを持って他人に接していて、住みやすく素晴らしい国だ」とその日一番の熱意を持って(主観です)話してくれた時には、人知れず心が熱くなりました。
冨山さんやアーセン・ヴェンゲルの話を直接聞ける機会というのは、MBAに来ていなければなかった機会ですし、改めてMBAに来てよかったなと思った瞬間でした。
特にIESEはMBA Officeに2人の日本人がいるため、日本人関連のゲストスピーカーがとても豊富で、更にその後ディナーやランチなどをご一緒できる機会もあるので、その点は特に恵まれているところだなと思います。
今回はお二人しか紹介出来なかったのですが、最初に申し上げたように沢山のゲストスピーカーがいらしているので、もっと他の人も聞いてみたいという方はお気軽にお問い合わせ頂けると幸いです。
(今ご覧頂いているIESE Japanホームページの”お問い合わせ・キャンパスビジット”欄から、キャンパスビジットだけではなく、一般のお問い合わせも可能です)