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MBAにおけるcontribution

Class of 2016のノクトです。MBAプログラムが本格始動し、1か月弱となりました。初期的な感想ではありますが、contributionについて、特に、チームへのcontributionに焦点を当てた上で思うところを書きたいと思います。前提となる1日のスケジュール等の情報については「カリキュラム」タブにてご確認ください。

私のチームは、米国×2、チリ、フィンランド、レバノン、インド、スペイン、日本という国籍から成る8名のチームで構成されています。チリ人とスペイン人は若干劣るところもありますが、それでも私以外のメンバーは殆ど英語に不自由がありません。私は典型的な純ドメ(海外出張、電話会議、旅行程度)でして、MBA受験もおそらくTOEFLよりも簡単なIELTSで乗り切りました。こんな私が、8名というただでさえグループディスカッションには多めな人数設定の中で、毎朝授業前に90分行う議論にぐいぐい参加していくのは相当無理があり、正直落ち込むことも多い日々です。総じてまだcontributionの質・量ともに不足しているという認識ですが、それでも現時点で自分に何ができているかという点について整理してみると、以下の通りです。

(1)資料作成力

チームメートの経歴によってはチームメートの方が勝ることがあるとは思いますが、日本企業では(時に意味もなく)資料を上司向け又は顧客向けに丁寧に作り上げることを求められるので、それが多少なりとも役立つ場面がある気がします。例えば、ケースごとにローテーションで割り当てられた担当者2名が、翌日のミーティングの資料を可能であれば前日までに作成・共有するルールをチーム内で設けているのですが、チームメートから前日に送られてきた資料を見てもそれだけでは何のことかわからないことがままあります。それに対し、私はそんなに高度なエクセル技術も持ち合わせていませんが、翌朝のチームディスカッションの質を高めるべく、ケースを一読した上で読めば口頭説明なしに言いたいことがわかるようなそれでいてコンパクトな資料作成を心がけており、チームメートからも好評です。

(2)段取り力

例えばチーム全体として明確な期限の下、アサインメントを課された場合に、外部的・内部的に想定されるリスクをヘッジしながら、期限や分担をはじめとした段取りをつけることに関しては、一定の貢献ができていると感じます。私は、民間企業出身ながら某政府機関に2年間出向していた経験があるのですが、官僚組織では、少なくとも私の知る民間企業とは桁違いの段取り力を求められます。当時、大臣・長官まで資料を上げることを頻繁にあったのですが、間にいる5人程度の上長それぞれから何も修正を指示されないことはほぼ皆無で、常に何かしらの修正を施しながら上に進み、時にどこかで全てやり直しになります。これを幹部のタイトなスケジュールの中でやりくりするのは至難の業でした。ここで培われた段取り力はチームとしての作業を円滑に進める上で役立っていると感じます。

(3)専門知識

私のバックグラウンドに鑑み専門知識として体系的に役立つのはM&Aくらいでして、カリキュラム設定上、暫くはそれが直接的に役立つ場面はなさそうです。ただ、会計やマーケティング等は別途それなりに自分でトレーニングしてきたこともあるので、完璧ではないことを断りつつも、多少なりともチームメートに示唆を与えることができる場面はあります。

(4)文化発信力

幸いなことに、外国人のチームメートにとっては日本という国は正直相当興味の対象となるようで、ここは対他国で相当アドバンテージがあります。随時、日本文化を発信していくこともある意味contributionではないかと思います。日本の居酒屋的なお店に連れて行って色んなメニューを案内してみたり、日本のプロサッカーリーグ事情について欧州のそれと比較しながら意見交換をしてみたりすると大変喜ばれます。また、11月初頭のボストンキャリアフォーラムに行く都合上授業を数日休む必要がありチームメートに色々事後的に頼らなくてはならないことが出てくるのですが、その御礼も兼ねて私の家で寿司パーティーを開催して彼らをもてなすことを検討中(メニュー試作中)です。

チームメートの誰が見ても私が英語力に難を抱えていることは明らかですが、これら4点を組み合わせ、チームメートにcontributionしようという意識は伝わっていると思います(そう信じたい)。他方、さすが欧州随一のビジネススクールということで、チームメートのcontributionへの意識も高いので、まだまだ自分自身contributionの質・量とも上げていかなくてはならないとも思います。

私見ですが、詰まるところ、ビジネススクールが重視するリーダーシップとは「利他的である」ことであり、それすなわちcontributionであると思うので、自分の能力や性格と折り合いをつけながら、うまく実践していきたいと思います。

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