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大変だったけど「無理」ではないよ ーMBA学生本人の現地出産体験談-学生生活と妊娠・出産の両立

画像:娘を可愛がってくれるIESE同級生のコラージュ

こんにちは。Class of 2025のMeiです。入学直前の2023年8月末に妊娠が判明し、MBA 1年目の2024年4月にバルセロナで第一子を出産しました。多くのサポートを得て、学生生活と妊娠・出産を両立することができました。

私が受験生時代、MBA中の妊娠・出産について「男性(のパートナー)にはできるけど女性にはほぼ無理です」と断言する他校の方のブログを読んだことがありました。そのため、妊娠初期は喜びと同時に、「大丈夫なのだろうか」と不安な日々を過ごしました。ただ、産後半年を過ぎた今、この1年を振り返ると、当時そこまで不安に思う必要はなかったのではないかと感じています。

私の考える両立に必要な要素、当時意識していたことを共有することで、「確かに大変なところはあるけど、MBAと妊娠・出産の両立は無理ではないよ」というメッセージを皆さんにお伝えできれば嬉しいです。

MBAと妊娠・出産の両立に必要な3つの要素

私は、2023年9月にMBAライフと妊婦ライフを同時に開始し、翌年4月に出産しました。産後2週間で復学し、5月末に無事に1年生3学期を終えることができました。
この期間を乗り越えられたのは、以下の3つの要素があったからだと考えます。

要素①:体調の安定

最初に挙げたいのは妊娠中の体調管理です。これには運の要素も大きいと感じます。私の場合、ひどい悪阻がなく非常にラッキーでした。

「お肉の臭いで具合が悪くなる」という悪阻が数週間あり、夫が作ってくれたカレーが全く食べられず、夕食にコーンフレークを食べたり、レストランでコース料理を注文したものの臭いが辛くて何も食べられなかったことがありました。ただ、「悪阻がひどく水もろくに飲めなかった」という友人の話を聞くと、私は軽い方だったと思います。

こればかりは自分ではコントロールできない部分ですが、妊娠期間中、問題なく毎日通学できたことに自分の身体へ感謝しています。
(出産前日まで通学していましたが、その頃は大学へ行くたびに「いつまで来るの!?」と驚かれていました。)

要素②: 大学・友人の理解やサポート

大学教職員の方々、チームメート、クラスメート、日本人同級生やそのパートナーの皆さんなど、多くの人に支えていただきました。

教職員の方々に関しては、産後の授業の一部をオンライン受講することを許可していただいたり、試験日程の変更に柔軟に対応していただけました。また、キャンパスで会うたびに「体調はどう?何かサポートが必要なことがあればいつでも言ってね」と声をかけていただきました。

1年生の大部分を共に過ごすチームメート、特に女子メンバーの存在は大変心強かったです。妊娠中期・後期にチーム課題に率先して取り組んでいた私に対して、「妊婦なのに頑張り過ぎ。チームとしてもっとあなたの負担を減らすべき」と提案してくれるメンバーがいました。また、別の女子メンバーは「産後の復学プランについて、大学側との交渉が必要だと思うけど、手伝うよ!日本人は自己主張が苦手だろうけど、最初に”大きな要求”をしたほうがいいよ」と色んなアドバイスをくれました。こうした多くの場面で助けられました。

日本人同級生の友達とはテスト前に一緒に勉強会をすることが恒例となり、教えるよりも教えてもらう方が多かった私は本当に助けられました。また、普段から仲良くしていただいている同級生の奥様方の中には出産経験者もおり、先輩ママから多くのアドバイスをいただきました。

IESEコミュニティの温かさを改めて実感しました。受験生時代の私は、IESEのプログラムに加え、卒業生・在校生のお人柄に魅力を感じていたのですが、その直感を信じてIESEに入学して良かったと思います。

要素③: 家族のサポート

バルセロナで帯同している夫や、出産に合わせて日本から駆けつけてくれた母の支援も非常に大きな助けとなりました。

ただし、家族のサポートが必ず得られるとは限りません。特に海外で出産する場合、実親のサポートが得られない人も多いかと思います。その場合、代行サービスを活用することで乗り切れると考えます。

スペインでは家事代行サービスが日本よりも浸透しており、週1回のお掃除サービスを利用している大学友人が多いです。また、医療通訳の方から、「スペインでは、ナニー&家事代行のフルサービスを活用する子持ち夫婦も多い」という話も聞きました。住み込みにすることで、複数の単発依頼よりもトータルの費用を抑えることができるようです。

家族のサポートが得られない場合でも、こうしたサービスを利用することで補える部分があると感じました。

妊娠期間中に意識した3つのこと

妊娠期間中、以下3つのことに意識して過ごしました。

1. 優先順位の明確化(何を選び、何を諦めるか)

忙しいMBAライフでは、トリレンマ(3つのうち2つしか選択できず、残りの1つは諦めるしかない状況)に直面し、「学業・遊び・睡眠」のどれかを諦めなければならないと言われています。

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普通の学生であれば「2つを選択して、残り1つを諦める」ところですが、妊婦である私はリソースが限られており「1.5を選択して、残り1.5を諦める」くらいの覚悟を持って過ごしました。

妊娠中は十分な睡眠が大切と聞いていたので、優先順位を「睡眠→学業→遊び」とし、予定をあまり入れ過ぎないようにマイルールを設けたり、授業がない平日や週末など休めるときに意識的に休む時間を確保するように努めました。

様々な機会が溢れるMBA、つい欲張りになりがちですが、周囲と比較し過ぎず、自分のリソースを見極めた上で「何を諦めるか」を意識していました。

2. できることを、できるタイミングで

私はもともと「締切直前にエンジンがかかる」タイプでしたが、妊娠中はこのスタイルを見直すようにしました。

体調が急に悪化するリスクがあるため、個人課題や試験勉強は前倒しで進めるよう意識しました。(ただ、チーム課題については、チームの作業計画を作り、自分の担当パートを早めに終わらせ、他の人の進捗を早めに確認しても、締切直前に動き出す人は一定数おり、結局夜遅くまで対応するということが何度かありました。笑)

学期間の負荷分散としては、妊娠期間中にあたる1~2学期(2023年9月~2024年3月末)に、なるべく多くのチーム課題に取り組むよう心がけました。というのも、妊娠期間中より出産後(3学期)の方が大変になるだろうと予想していたためです。他のチームメートが就職活動や旅行で忙しいと言うときは、率先して担当を引き受けるよう申し出て、チーム貢献という名の「貯金」を貯めるようにしました。

1~2学期の「貯金」があったためか、自分から産後の作業分担について相談する前に、「3学期のチーム課題は私たちに任せて、あなたは育児と授業復帰に専念して」と言ってもらうことができ、安心しました。

3. MBA期間を楽しむこと

妊娠中期頃まで、「卒業できるのだろうか」という不安が常につきまとっていました。というのも、IESEは下位10%には必ずC評価が付くという厳しい成績評価システムであり、「Cを1学期中に3つ取ると面接、年間に6単位取ると追試と面接があり、改善が見られない場合には放校もあり得る」と聞いていたためです。

しかし、1学期が終わり、酷い成績ではなかったこともあり、今のペースでやっていけば、ちゃんと進級できそうだと思えるようになりました。また、妊娠経過が進むにつれて、多くの人から励ましの言葉を頂き、不安が和らいでいきました。特に、チームメートの友達がベビーシャワーを企画してくれ、多くの友達にお祝いをしてもらったことが大きな転機となりました。その頃から、「せっかくこのタイミングで出産するのだから、楽しもう」と考えるようになりました。自分自身の経験という意味でもそうですし、MBA期間中に生まれる娘にとっても、多くのIESEファミリーの方々から愛情を受け取る機会があるというのは、素敵なことだなと感じました。

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ベビーシャワー(出産1か月前)に集まってくれた友人たちと

最後に

MBAプログラム中の妊娠・出産は、一見するととてもチャレンジングなことに思えるかもしれません。しかし、周囲の理解とサポートを得ながら計画的に取り組むことで、十分に乗り越えられる経験だと感じています。

このブログには書ききれなかったものの、振り返ると大変なことも多々ありました。それでも、「楽しむ心」を持って過ごすことで、かけがえのない思い出を作ることができました。まだMBAライフは進行中ですが、残りの期間も、この特別な時間を楽しみたいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。これからMBAに挑戦する方や、同時に妊娠・出産を考えている方々の背中を少しでも押せたなら幸いです!

※Noteでブログを書いておりますので、よろしければぜひこちらもご覧ください

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