これまでのキャリアとBP構想の繋がり
–スポーツ関連のビジネスに携わりたくてMBAに行かれたと伺ったのですが、実際にIESEやバルセロナ(FCバルセロナ等の本拠地)で学ばれたことが、Fビレッジでの仕事に活きましたか?
在学中にスタジアム関連のプロジェクトを手探りでやった経験は、プロフェッショナルとしての仕事とはまた違う、良い学びになりました。エスパニョールでの経験も大きかったですね。バルセロナはスマートシティに力を入れており、街づくりにおいて新たな視点を得られたことは、今の仕事に生きています。
私は20歳の頃から「スタジアムを作りたい」という夢があり、米国や欧州でその機会を模索し続けました。多くの人に自分の想いを伝えてフィードバックをもらう、その探究のプロセス自体に意味があったと感じています。うまくいかないこともありましたが、「やりたいからやる」というシンプルな動機で、キャリアを離れて挑戦できたことは大きかったです。
仕事から離れ、自分の足で現地に赴いて挑戦できることこそが、MBAの真価だと思います。オンラインでは築けない深いネットワークと、知識の先に自分の判断軸を養えたこと。これこそが、私にとってのMBAの真価です。
-スポーツビジネスを志す人が、今から意識しておくべきスキルや経験はどのようなものがありますか?
自分自身で実体験を持つことが何より大事です。私はスタジアムオタクなので、ヨーロッパの様々なスタジアムを回りました。会社に入ってからも年に2回は海外出張をして勉強しています。
AIの進化で余暇が増える時代において、人々の心を満たすのはリアルな体験です。人が集まり、熱狂が生まれるライブ感こそが、デジタルでは代替できないエンタメの本質だからです。 だからこそ、作り手自身がその価値を肌で感じ、熱量を持ってビジネスに向き合うことが何より大切だと考えています。
-お気に入りのスタジアムはありますか?
欧州でのお気に入りは、アスレティック・ビルバオの本拠地である「サン・マメス」です。 あそこは街自体も本当に面白い。元々は衰退した工業都市だったのですが、グッゲンハイム美術館などを作ってアートで街を再生させました。スタジアムが街のど真ん中にあって、その周りにおしゃれなバルがたくさんある。街全体の作りとして非常に魅力的ですね。
バルセロナだと、やはり改修工事中の「カンプ・ノウ」に行きたいですね。 日本の設計会社が担当していて、実はその設計会社に資料を作ってプレゼンしたことがあります。
-今後のご自身のキャリアや生活の拠点について、現時点で描かれている展望があればお聞かせください?
色々な国や場所に行き、住んだりすることが人生を豊かにすると考えています。北海道に来て子供が2人生まれましたが、いつかは北海道以外の場所にも住みたいと思っています。
プロフェッショナルとしては、スポーツ、球場作り、街づくりなどに携わり続けることが目標です。現在、いろいろなお話もいただいていますが、向こう10年は今の場所で新しいゲームチェンジャーを作ることを目標にしています。 もともとサッカーをやっていた中で、今は野球の仕事をしていますが、いずれはサッカーにも携わりたいです。スポーツやベニュービジネスに携わる中で、いつか「世界で一番良いサッカースタジアム」を作り、社会にインパクトを与える仕事を創造したいと思っています。
メッセージ
-これからMBAを目指す人、MBAに在学中の人にメッセージを頂けますでしょうか?
私の恩師であるIESEのCarlos García Pont教授(RCDエスパニョール・元ボードメンバー)の言葉が印象に残っています。
「MBAはコモディティであり、持っている人はそこら中にいる。IESEのMBAは素晴らしいと言うが、それでもコモディティだ。最後は結局、自分がやってきたこと、その人自身が面白いかどうかで決まる」
MBAを持っていること自体には価値はなく、自分なりの個性や軸を持って、MBAを上手く使い、自らの道を切り拓くことが大事です。
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