IESEの特徴

IESEにおけるコンサルティング対策

幅広い経営分野についてケースメソッドを通して学ぶIESEのプログラムは、コンサルティングで必要とされるスキルセットとの親和性が高く、IESEにはPost MBAとしてコンサルティングを志望する学生が多く集まります。コンサルティングファームのインタビューに向けて、IESEとしても通常のカリキュラムに加えて手厚いサポートを準備しており、欧州MBA校の中で、MBB(McKinsey, Boston Consulting, Bain)への合格実績は例年上位に位置付けられます。本稿ではIESEにおけるコンサルティング対策について、ご紹介します。

1. コンサルティングトラック

まず、IESEでは9月の入学後すぐに、学生全員を対象にCareer Development Center(CDC)主催の数週間に渡るCareerイベントが開催されます。この期間で、就職活動で利用するResumeの作成、各業界の特徴や動向の詳細解説がカバーされ、学生は志望業界について(ざっくりと)方向性を定めていきます。

全体でのCareerイベントは9月末には一旦終了しますが、この時点で学生は自身の志望に応じてTrackを選択します(Class of 2024の場合は、”Consulting Track”, “Finance Track”, “Diversified Industries Track”の3種類)。この時点でコンサルティングを志望する学生はConsulting Trackを選択し、10月以降学校側で準備されるConsultingに特化した各種イベント(コンサル経験豊富なIESE Alumniによる面接対策ワークショップ等)を通して、インタビューに向けた準備を進めていきます。

2. コンサルティングクラブ

Consulting ClubはIESE内で最大のClubで、上述のCDCとタッグを組む形で学生に強力なサポート体制を提供しており、IESEにおけるコンサルティング対策における大きな特徴になっています。10月以降のCDCイベントはConsulting Clubとの共催になっているものがほとんどで、Consulting Trackを選択した学生の大多数が同時にConsulting Clubにも所属しています。Consulting Clubの提供するプログラムで代表的なものがMock InterviewとTrekです。

a) 模擬面談

Consulting Club の就職活動を終えた2年生が中心となり、メンターとして1年生にMock Interviewのサポートを行います。1年生は4人のチームを組み、各チームにメンターが割り当てられます。まずメンターより経験談や実際の面接の雰囲気、準備の進め方について話があり、実際に一人ずつMock Interviewを実施します。その後1年生は4人のチーム内、さらには他のチームの学生ともMock Interviewを重ね、最終的に12月末にMock Interview weekで2年生を相手に本番形式で面接を実施します。12月末のMock interview weekに向けて1年生は平均で約20本、多い人では50本にも及ぶMockを行います。こうした準備を経て、最終的に年明けに実施される本番(インターン面接)に臨みます。

b) コンサルティングトレック

Consulting ClubではCareer Trekも主催しています。Class of 2024では、ロンドン、ドバイ、マドリッドの3都市が準備されました。

実際に各都市のコンサルティングファームを訪問することで、コンサルティングという仕事に関する理解を深めるとともに、当該都市への出願を検討している学生にとっては、卒業後に働く土地のイメージを膨らませる貴重な機会となります。

また、Trekを通して、クラスを中心とした普段の交友関係を超えて、コンサルティングを志望する他の学生と新たにネットワーキングでき、普段の多忙な授業を離れてコンサルティングを志望する思いを、同じくコンサルティングを志望する仲間と語り合う中で、志望動機を言語化する大変有益な時間を過ごすことができます。

3. 日本のコンサルティング対策との関係

日本のコンサルティングファームによる面接は、フェルミ推定が中心となる点で、グローバルフォーマットとは少し傾向が異なります。IESEの日本人学生の中でも、上述の学校のプログラムには参加せずに、日本の面接に特化した準備を個別に進め、内定を勝ち取られる方も多数いらっしゃいます。

一方で、出題傾向における違いはあれど、グローバルファームの場合は根底で求められるスキルセットに違いはないこと、また一部のコンサルティングファームは日本でもグローバルフォーマットでの出題(英語でのケース面接)を行うことを考慮すると、日本のコンサルティング対策にも有用な内容も多く、この辺りは各学生の志向(他業界の併願等)に応じて、柔軟に活用していくというのが日本人学生にとっての実態となっています。

IESEの学生にはコンサルティングファームからの社費留学生や経験者も多く、そうした生徒との対話を通じてコンサルティングに関する理解を深める機会も多々あります。また、上述の面接対策に加え、戦略コンサルティングファームが主催するケースコンペティションにも学校として毎年参加を継続しており、コンサルティングを志向する学生にとっては学び・実践ともに申し分ない環境が準備されています。現在MBA受験を検討されている方にとって、本稿が志望校検討を進める中での一助となりますと幸いです。

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