IESEの特徴

1stタームを終えて

1st Termを終えて

Class of 2019のTです。

今回、テーマは1st Termの振り返りなのだが、授業のことを振り返っても仕方ない(?)ので、私費日本人、日本育ちの筆者が最初のIESE生活で感じたことをかなり本音で書いてみたい。

1. 優先順位を付けるには覚悟がいる

1st Termは就職活動がかなりのウェイトを占め、学生に戻ったとはいえ、齢30歳を超えて仕事がないのは中々に辛く、優先順位は常に1番だった。あまり大きな声では言えないが、ケースを読まずに授業に臨んだものもある。そして時には脳を休めるためだろうか、無意識にとうとうとしていて、授業中コールドコールされたことにも気づかず、見事CoW(*1)を獲得したことも。

学校からは優先順位をつけるのが大切だと言われていたし、色々な人からもMBA生活は優先順位が大切だと言われていた。その話を聞いた時は、優先順位を付けるのなんて簡単だろうと思っていたけれど、実際にやってみると中々簡単に割り切れない。切り捨てた選択肢が良いと思えたりする。

真面目な筆者は、スペイン語(*2)こそ何の憂いもなく、リタイアしたものの、ちゃんと予習をすれば素晴らしく学びのある授業をみすみす逃して良いのだろうかと悩みを抱えていた時期も少しだけあった。他にもチームメイトたちとのミーティングで予習をしていないことで貢献できない自分に嫌気がさしたことも、また典型的な日本人である筆者は貢献していないことでチームメイトにどう思われているのかなと悩んだりしたこともあった。

しかし優先順位をつけたのは自分だということに気づくと、自分の中で何を大切にすべきか、そして自分の中で大切なものを優先すると自分が決めた以上、何かを切り捨てたことで、自分と違う優先順位を持つ誰かから批判されたり、何かを失うことを受け入れるしかないと思うようになった。それが優先順位をつけるということであり、そして優先順位をつけることは口で言うほど簡単ではなく、覚悟がいるものなんだと改めて痛感した。(個人的には、経営者に求められる能力の一つに、優先順位をつけることができるということがあると信じているのだが(だからこそMBAの色々な学校は、優先順位について口すっぱく言うのではないかなと)、そういう意味ではいい訓練になった気がしなくもない。)

ちなみに来年からメジャーに挑戦する大谷翔平選手は、投打の優先順位を付けずに全てを頑張って、結果的にメジャーリーグに二刀流を認めさせたわけで、比べること自体がおこがましいが、心底凄い人だなと思う。

(*1) Comment of the Weekの略称。クラス毎に毎週、良い(ほとんどの場合は、的外れで面白い)コメントをした人を表彰する。筆者の場合、寝ていたので、何もコメントをせずに、CoWを獲得。

(*2) IESEでは毎週2時間の授業が計3回1st Termの間続く。筆者のようにDropは可能だが、「これいくら?」といった基本会話ですらも言えないレベル感のスペイン語になる。

2. 言語・文化の壁を乗り越えるのは並大抵ではない

1st Termでは自分とは異なる文化・言語を持った人たちと、心の琴線が触れ合うような、本音で意見をぶつけ合うような関係(30を過ぎたオジさんが青臭いことを言っているのは承知で)を築くことは出来なかったと思う。

やっぱりアジア人同士のほうが一緒に居て、居心地は良いし、ヨーロッパの人たちとは共通点が少ない。議論の仕方やスピードも違う。IESEのようにInternationalな環境を謳っていても、ヨーロッパはヨーロッパで固まるし、南米は南米で固まる人が多い(ように思える)。そして筆者もご多分に漏れずアジア人同士で一緒にいることが多かった。

色々な言い訳をすることもできるのだけれど、同級生の中にはそういう枠を飛び越えている人もたくさんいるわけで、素直に凄いと思った。大学時代の部活のような、人と本音で触れ合って自分に変化を起こしたいと思ってMBAに来たので、優先順位も高かったはずなのに自分はその点を頑張りきれなかった、Comfort Zoneを超える気合いが足りなかったと反省しているし、2nd Termではもっと頑張りたいと思う。

では上記で挙げた1と2が海外MBAで得られやすい経験なのかということを考えてみたい。(海外MBAで得られる経験・スキルはこの2点以外にももっと色々とあると思いますが)

1はたぶん海外MBAでなくとも経験できる環境はいくらでもあるだろう。一方で、海外MBAにいる場合、色々と選択肢が多くて、その選択肢から自分で選択しなければいけないので、相当に意識付けられることは間違いないと思う。

2は他の経験に比べると、海外MBAだと感じられる可能性が少なくとも高いというのは事実だと思う。日系企業で、実際に海外に駐在をした人と話しをしても、日本の文化や仕事のやり方をわかっている人たちと仕事をするケースが多く、文化・言語の壁を感じる機会は海外MBAほど多くはないような気がする。外資系企業で、チームに外国人が何人もいるような環境なら分からないけれど、少なくとも日本で働く以上は相手がこちらの英語や価値観を理解しようとしてくれると思うので、これも同様な気がする。

色々と御託を並べてみたものの、要は気合いが大切というMBA生らしからぬことしか書いておらず、またまるで卒業直前の人が書くような偉そうな文章を書いてしまったが、この1st Termでは、ただただ荒波を何とか乗り越え、溺れそうになりながら(というか半分溺れながら)何とかついていったというのが偽らざる本音なので、今後も引き続き頑張っていくことを宣言しておこうと思う。

長々とお付き合いありがとうございました。

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