私は、2年生の4th termに交換留学制度を利用してTuck School of Business at Dartmouthに留学中です。この記事では、私的な体験を記載しています。IESEの交換留学制度については、既に先輩方が執筆済みの交換留学カテゴリにある別記事をご覧ください。
Contents
1. 交換留学を選択した理由
交換留学するかどうか、申込期限最終日まで迷いに迷いましたが、最終的には交換留学に行くことを決断しました。その主な理由は以下の2点です。
(1) comfort zoneを抜け出して、より厳しい環境で勉強に集中したい
MBA1年目の約9カ月をIESEで過ごすうちに、IESEがすっかり自分にとってのcomfort zoneになっていました。それ自体は素晴らしいことですが、自分の中で甘えのようなものが徐々に芽生えてきたように思います。特に3rd termになってしばらく経つと、IESEの学習サイクルにすっかり順応し、かつクラスメートとより仲良くなったこともあり、気づけば週に3、4回仲間と飲みに行く生活になっていました。楽しい日々を過ごす一方で、これでいいのかという思いを常に抱いていました。初心を思い出して、勉強にもう一度集中するために環境を変えることが必要でした。
(2) IESEの教育の質を確かめる
欧州のMBAしか受験しなかった私ですが、本場アメリカのMBAスクールがどのようなものか気になっていました。IESEでの学びには満足していましたが、アメリカのTOP MBAスクールと比べて、IESEのカリキュラムや教員の質などを自分なりに評価したいと考えました。
2. 実際に交換留学に来てみて
Tuckに来て1カ月半過ごした感想です。
(1) 勉強に集中できる
Tuckはニューハンプシャー州ハノーバーという小さな町にあり、大都会のバルセロナとは全く異なる環境です。都会の誘惑がない分、自分が意図的にそうしている面は多分にありますが、外出することは滅多になく、勉強に集中できています。データサイエンスに興味がある私は、Prescriptive AnalysisやData Miningといった科目の予習復習に時間をかけてじっくり取り組めており、満足しています。
(2) TuckとIESEの教育の質に違いは感じない
ほぼすべての教員が英語ネイティブであることや、授業一コマあたりの時間が90分と長い(IESEは75分)、ケースを使った授業の頻度が低い(IESEはほぼ毎回ケース)など細かい違いはありますが、教員の質/授業の質ともに大きな違いは感じません。ただ、IESEの1年目は一日当たり3コマ授業があり、週5日授業がある一方で、Tuck の2年目はどの授業を選択するかにかかわらず週4日しか授業がない(金曜日は休み)ため、カリキュラムに余裕があります。
教育の質とは直接関係ありませんが、授業中に食事をしている人がいるのには驚きました。教授から注意されることはありませんし、どの授業でもそういった光景を見かけます。IESEでは、授業中に食事をすることはおろか水以外の飲み物を飲むことも禁止されています。また、IESEの教授は授業中の教室の出入りに厳しい人が多い中(特に遅刻は厳禁)、Tuckでは許容されています。
3. 最後に
全体として、留学に来て本当に良かったと思います。たとえ今いるMBAスクールに満足しているとしても、1 termを他校で過ごすことはいい気分転換になりますし、母校を客観的に見る視点を確保できます。私自身、交換留学を経験したことで、来年1月から始まるIESEでの5th termを新鮮な気持ちで迎えることができるのではないかと期待しています。