キャリア

コンサルティングファームでのインターンシップ

2年生のSです。

今回は私がこの夏に経験したコンサルティングファームでのサマーインターンシップについてお伝えしたいと思います。

1. 動機:

留学前からコンサルティングファームの業務に興味はあったものの、自身の勤務先(日系事業会社)での業務においてコンサルティングファームの方々と直接的な接点がなかった為、サマーインターンの機会を通じて、経営課題に対するコンサルティングファームのアプローチや、そこで働く方々について学びたいと思い、日本オフィスでのサマーインターンへ応募しました。

2. 応募:

合計6社に応募し、最終的に3社(下記A社、B社、C社)でインターンを実施することが出来ました。多くのファーム(東京オフィス)が、長期(4~9週間)と短期(1~2週間)のサマーインターンを実施しています。実際の選考ステップですが、先ずは学校のキャリアサービス経由或いはファームから直接頂く応募要項に従って、履歴書とカバーレターを期限までに提出します。多くのファームが11月中旬を期限としており、一方で学校の授業の負荷も大きい時期である為、タイムマネジメントが重要になってきます。書類選考通過後、マネージャークラスの方と1~2回、それをクリアするとパートナーの方と1~2回の面接を実施します。主に年明け1月~2月に面接が集中しました。殆どのファームがスカイプや電話での面接でした。面接をクリアすると電話なりメールでオファーの御連絡を頂きます。上記はあくまで平均的なプロセスであり、ファームによっては、IESE On-Campusや先方のロンドンオフィスでの面接実施などもあり、また面接回数も各社によって差があります。

さて、私の場合は、A社は長期(4週間)の提案を頂きましたが、自身のスケジュールの都合で2週間への短縮をお願いし、残りのB社とC社は短期(夫々2週間、1週間)で受け入れて頂きました。合計3社・5週間のインターンを実施することになったわけですが、学校の友人からは「コンサルティングファーム3社でインターンやるって聞いたことない」とよく言われました。と言うのも、通常、コンサルティングファームの各国のオフィスは長期のインターンしか実施しておらず、一方で東京オフィスだけは短期も実施しているファームが多い為です。そのため、私のように短期に割り振られた場合、複数のファームでインターンを経験できると言う貴重な機会を頂ける可能性があります。長期と短期、夫々のPros/Consはあると思いますが、個人的には、各社各様の方針、雰囲気、そこで働く方々とのfit感等を肌感覚で感じられたことは、非常に貴重で良い経験だったと思っています。

また、応募の際の漠然とした不安として、「欧州に留学していることで、米国留学組と比べてインターン応募に不利な面が無いか」ということがありました。もしかしたら、各ファームの目が全体的に学校/学生数の多い米国に行きがちになって、欧州組は接点の機会が少なくなってしまうのではないか、ボスキャリに行けないが不利にならないか、、、等々思いましたが、結果的には杞憂でした。各ファームともIESEの学生にしっかり応募をかけてくれますし、わざわざバルセロナまで来て頂き、コーヒーチャット、ディナー、ランチなどを実施して下さったファームも多かったです。また、基本的に殆どの面接は各社ともスカイプや電話での実施ですが、中には東京からロンドンまで来ていただき、欧州留学組との面接をFace-to-faceで実施してくれるファームもありました。特にIESEは、米国を含めたトップビジネススクールの中でも最大級の日本人学生を有しており、インターンを積極的に募集するファームにとっては多くの日本人学生と繋がることが出来ることが、バルセロナやロンドンまで来るインセンティブの一要素になっているのかもしれません。

3. 所感:

さて、実際のインターンですが、8月1日から9月2日の5週間、A社(2週間)B社(2週間)C社(1週間)と連続で取り組むこととなりました。A社では、実際に走っているプロジェクトに入れて頂き、コンサルタントの方々と一緒に業務に取り組みました。B社及びC社では、他校の日本人学生と共にチームを組み、模擬プロジェクトに取り組みました。インターンシップを通じて、「業務に取り組むスピード感」が特に印象に残りました。特にA社では、コンサルタントの方々と本物の案件に取り組み、クライアント企業から要求のあったタイムラインを厳守する形で一定のアウトプットを求められるというプレッシャーの中で、非常に速いスピード感をもって業務を回していくことを経験。日常の業務において、30分なり1時間といった細切れの期限をチームリーダーが設定し、チームメンバー各人が割り振られたポイントを素早くリサーチ。そのリサーチによって分かった事実に自身の考えを加えたうえで論理立ててアウトプットしつつ、チームで議論を重ねてクライアント企業への提案に繋げていく、というサイクルを回していく感じでした。この経験を通じて、スピード感を持つことに加え、少しでもヒントになりそうな事実が見つかった場合に見過ごさず、チームメンバーと頻繁な議論を重ねることで論点の深堀をしていく重要性を認識しました。

加えて、IESEでの経験も役立ったと感じています。特にチームワークを重視し、チームメンバーとのミーティングが毎日続くIESEのカリキュラムを経験したことで、議論を深めていく為にメンバー間で各人の意見に対してチャレンジすること、そのチャレンジをポジティブな方向にもっていくメンタリティを持つこと、をインターン中も意識して行うことが出来ました。チームのアウトプットを高めよう!という共通認識をコンサルタントの方や他のインターン生と共有することで、チームの雰囲気も良くなり、業務に前向きに取り組めたと思っています。

また、各社に共通していると感じたことは、とにかくクライアント企業の価値向上に全力で取り組んでいること。それぞれの提案が、クライアントにとってどのくらいのインパクトに繋がるのか、を強く意識されていました。あるファームでのプレゼン時、パートナーの方のコメントで、「このプレゼンを聞いたクライアント企業は実際に行動に移すと思いますか?もし行動を起こしたとして、あなた達の提案はいくらの売上/利益の増加につながるの?我々コンサルティングファームは非常に高いフィーをクライアント様から頂いて仕事をしている。実行可能で、結果として業績/企業価値向上につながる提案でないと存在意義がない」というのが印象に残っています。コンサルティングファームで働くことの厳しさの一面を垣間見た瞬間でした。

なお、各社でのインターン期間中は、Supervisorが必ずつくようになっており、チームメンバー間でのディスカッションに参加頂き議論の深堀をヘルプ頂くと同時に、個別に実施された面談では、良い点と共にどういった点で改善の余地があるかということをフィードバックいただく機会があり、自身の業務を振り返る良いきっかけとなりました。頻繁なフィードバックの文化は、気づきの機会に常に触れる環境を作っており、各人の成長を支える一つの仕組みであることを実感しました。

余談ですが、ファームによっては一時帰国に伴う移動費の負担や、滞在時の部屋を手配してくださったりするので、インターン中は快適に過ごすことができました。

4. まとめ:

総じて、コンサルティングファームでのインターンは刺激的な学びの機会になりましたし、そこで知り合ったコンサルタントの方々、チームを組んだ他校の学生達とのネットワークも、とても価値あるものになっています。コンサルティングファームでのサマーインターンに少しでも興味がある方は、留学前に各社が実施するMBA壮行会に出来る限り出席してみること、そして留学後は色々な方に経験談を聞いてみることをお勧めします!

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