IESE日本人学生の年代が20代後半~30代後半であるため乳児~小学校低学年のお子様を伴って渡航される方も多いです。今回は、バルセロナでの育児についてClass of 2015 Tadのパートナーが記載致します。
生活環境
住む地域にも因りますが、日本人が多く居住するサリア地区周辺では、治安が良く、比較的トラブルの心配なく生活できています。
公園は約3ブロック毎にあり、芝生、砂地、ゴム床など様々。体を思う存分使える遊具が充実しており、遊ばせる場に事欠きません。子供達同士の意思疎通はカタルーニャ語かスペイン語が基本。おもちゃは持ち込んだ物を自由に貸し借りするのがスペイン流です。私のスペイン語レベルは日常会話もままならない程度ですが、英語を話す保護者も少なからず居り、疎外感はありません。子供達への注意喚起や制止は態度で示せば伝わります。
日曜日はどこもお店が閉まるため、無料もしくは低料金で楽しめる自然公園、自然科学館、美術館などによく足を運んでいます。
暑い夏はプールかバルセロネータのビーチが定位置です。
娘の生活例
家に居る時間は、絵本、塗り絵、切り絵工作、鉛筆書き遊び、簡単な家事手伝いなどをして過ごしています。
教育施設
3歳からの義務教育で平日9時~17時で学校に行くのが一般的です。現地校はカタルーニャ語での生活が基本です。IESEのある山付近にはインターナショナルスクールも集まっています。学校とのコミュニケーションは、英語が話せれば、インターナショナルスクールは勿論のこと、現地校でも校長先生などに限られる場面はありますが特に問題は無いと思います。また、文化的な摺り合わせをより重視されるなら、幼稚園からある日本人学校やサリア地区の日本人保育園を選択することも可能です。3歳未満でも、英語で行うジム、水泳、ダンスなどのお稽古は見つかります。
ベビーシッター
共働きが多い環境ですのでベビーシッターの利用は盛んです。単発で10~15ユーロ/時間が標準。日中だけでなく深夜まで対応してくれます。複数の家庭で一ヶ所に子供を集め、シッターをシェアすることもあります。私も、結婚記念日やIESE関連のイベントや飲み会へ出席するために利用しています。
コミュニティ
IESEではPartners & Families Club、Kids Clubや、同学年の子連れ家庭同士の繋がりが自然と出来ました。地区ごとのお祭りや、バルセロナ駐留日本人会もあり、孤独な子育てとは無縁と言えます。
医療
スペインは欧州の中でも医療水準が高い国だと言われています。医師はグローバルに研修を受けていることが多く、英語が通じますので言葉の問題は特にありません。日本語の医療通訳を個別に頼むことも可能です。
衛生用品
紙おむつやおしりふきは、品質は劣るものの、スーパーに行けばブランド物とプライベートブランド物が合わせて陳列されており、入手しやすい環境です。また、こども向けのスキンケア商品も一通りあります。入手が難しいのは、除菌シートやスプレー。欧州の他国へ出向いた際に仕入れたり、漂白剤等で代用したりしています。おむつはずしには普通のパンツを使うのが一般的なので、トレーニングパンツは見かけません。いずれも、お子様の体質に合うかが分からないという点では日本からの持参も検討が必要です。
子供用書籍
店頭では日本語は勿論、英語の本も入手が非常に難しいです。日本語の本はなるべく持参しましたが、ここ数年でkindle版絵本のラインアップが充実してきており、電子書籍を活用するのも良いと思います。(日本の電子書籍を買うには日本製の端末を購入する必要があります。)日本人コミュニティ、日本語図書館やフリーマーケットを活用する手もあります。英語の本は、ネットショッピング経由やコミュニティ経由での入手が可能です。DVD、Youtube、スマホアプリを駆使したり、手作りしたり、創意工夫しています。
恩恵
街全体が、子連れ家族を寛大に受け入れていると思います。例えば、レストランやカフェでは子供用の椅子や食器具が常備されていたり、バスの中で子供が泣いても周囲の方が「子供は泣くものだから」と嫌な顔をすることもなくあやしに寄って来られたり、階段でベビーカーを持ってくれたりします。
余談ですが、我が家は渡航時1歳半の娘連れでの留学でした。会社という後ろ盾が無い中で海外での子育てという不安はありましたが、現在は、バルセロナ生活を家族で楽しんでいて、勇気を持って飛び出して良かったと考えております。
主人は会社員時代よりもずっと子供と関わる時間が持てるようになりました。
娘は、IESEのコミュニティを通じて異文化の友達がたくさん出来、外国語を話すことや人との交流に積極的になりました。当初は日本語の習得に不安もありましたが、IESEの他のご家族との交流や家庭での日常会話を通じて充分に身に付いたため、杞憂でした。
私も、自然豊かでおおらかな育児環境に加えて、他者の目を過度に気にする必要の無い文化のお蔭で、大変気楽に愉しく育児が出来ています。