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Summer Entrepreneurship Experience Program(アントレプログラム)

Class of 2019のTKです。

今回は2018年の夏に2人の仲間とともに経験した「起業」についてお話させて頂きたいと思います。IESEでは夏に起業を支援するSummer Entrepreneurship Experience program(以下、SEE)があります。

(SEEに関する概要説明(IESE 公式HPより))
https://www.iese.edu/entrepreneurship/summer-experience/

私が参加した2018年夏のSEEでは、Entrepreneurshipの教授はもちろんのこと、有名なangel investorやヨーロッパの某LCCのIPOで成功した実業家等が非常に実務的な観点からbusiness developmentのためのアドバイスをしてくれます。既にビジネスを持っており、それをさらに推し進めるべく参加する生徒もいれば、新たにビジネスを始める学生もいます。

私は既にビジネスを持っていたというわけでもなければ、ビジネスアイデアを持っていたわけでもありません。全てゼロからのスタートでした。

さて、皆さんは「ビジネスが生まれる瞬間」ってどんなときだと思われますか?

これはネットやテレビ、雑誌などで起業に関する話を聞く度に私が気になっていたことで、SEEに参加するにあたり是非とも経験したいと思っていたことの一つでした。今回は私が経験した「ビジネスが生まれる瞬間」までの道のりについて少し書かせて頂きます。

2017年12月21日12:30。

クリスマスも近づくこの日、私はバルセロナのカフェで日本人同級生の一人を待っていました。全てはこの日からでした。

夏はバルセロナに残ってSEEに参加しようと私はこの時すでに決めていたのですが、日本人同級生でこの時点でSEEに参加しようと決めていた人はおらず、まずはSEEに興味がありそうな同級生に「SEEどう?一緒に起業しない?」といった会話から始めていました。

そんな中で「割と興味あるかも」と言ってくれたKさんと話をしようと、ランチに誘ったのがSEEが始まる半年前のこの日でした。

最近のStartupビジネスの流行り、どういった類いのビジネスに興味があるか、起業経験を通して何を学び、それを今後のキャリアにどう活かしたいかなどと熱く議論した後に…

私「一緒にSEEやらない?」

Kさん「うーん…もちろん興味はすごいあるんだけど…」

私(むむ、雲行きが怪しい…)

私「いや、絶対面白いってっ。起業経験とかもう出来なくない!?」

Kさん「いや、まぁ確かにそうだよなぁ…いや、でもインターンももう出来ないし、面白そうだし…」

私「世界一素晴らしい”バルセロナの夏”をEnjoyできるよっ!!毎日ビーチで熱く議論しよう!!」

Kさん「確かに、それはいいよね。」

私「じゃあ一緒に起業しよっ!!」

Kさん「うーん…うーん…」

この日、3時間近く(一緒に起業しようと)告白し続けたのですが、Kさんにはこの時はフラれました。

その後、他にも興味がある同級生にも告白するも、「インターンと両睨み」といったところでなかなかSEEにjoinしてくれる人を見つけることができませんでした。

それから少し仲間の募り方を変えようと思い、現時点で参加のYes or Noを迫るのではなく、最終的にはSEE参加となるかは分からなくてもいいので、ひとまず会話をしていこうという方向性に変えてみました。

そこで始めたのが、「100本ノック」。

毎回テーマをいくつか設けてビジネスアイデアを一人20~30個準備。ホワイトボードにポストイットで張り付け、カテゴリー分けをしてみんなで議論していました。

案出しをしてみると、just ideaのものなどアイデアの深さには濃淡があります。また、割とみんな同じアイデアを持っていたりもします。brainstormingなので基本的にネガティブなことは言わず、とにかくアイデアを発展させ楽しむということを意識してみんなで議論していました。

この「100本ノック」会を5,6回開催して、なんとなく上手くいくかなというビジネスアイデア5個にまで絞り込み、今度はこの5個のアイデアについて

・売上、コスト
・販売チャネル
・競合
・規制
・SEEは夏なので時期としてseasonalityがマッチするか
・自分たちのskill setとマッチするか
・Scalability …etc

などといった観点から議論を重ね、「本当に上手くいくのか?」ということを深堀りしていきました。

でもここからが本当に難しいところです。ネガティブなことを言うのは簡単で、どのビジネスアイデアもマイナス面を挙げれば切りがありません。答えのない戦いをみんなで何時間も続けながら、最後はみんなが楽しいと思うか・passionを持って本気でできるかということをよく考えていました。

例えば、アイデアの一つにあったのは、顧客のprice sensitivityは低く、online businessで初期費用もさして要さず、scalabilityもあって ”儲ける” には良さそうなアイデアがあったのですが、みんなが「そのビジネスがしたい」と強く思えず、そのビジネスを選ぶには至りませんでした。

議論を続けるも、残った案は正直どれも「うーん、イマイチ。なんとなくピンとこない…」。でも新しいビジネスアイデアをこれ以上出すことは正直難しいし、時間的にも厳しい… 実はSEEに参加するには4月に企画書を提出し審査を通らなければならず、その提出期限も近付く中で完全に行き詰っていました…

2018年3月13日15:30。

この日の放課後、実はその後SEEにjoinしてくれることとなったKさんと残るアイデアについて議論をしていました。「このまま今持ち合わせるアイデアの中でベストのものでいくのか… でも妥協したくない… でもとりあえず今日はこのぐらいにして帰るか…」と思っていたとき

2018年3月13日17:20

私「今日はとりあえず帰るか…」

Kさん「あのさぁ、やっぱり”金継ぎ”ビジネスいいと思うんだよね。」

私「ん!? なんだっけそれ??」

Kさん「ブレストで1回出した案なんだけど。金継ぎって割れた陶器を修繕する日本の伝統技法なんだけど… これって今密かに?ブームになってるんだよね。日本でもそうだけど、US, UKでもブームになっていて、例えば僕が知ってる東京にある金継ぎ教室には、金継ぎを経験したい人がわざわざ海外から来て、その様子が毎週のようにInstagramにpostされてるんだよね。」

私「!! …. 30分一本勝負。このビジネスについて議論しよ。」

これまでにないKさんのpassionを感じ、行き詰る中で藁にも縋る思いでこのビジネスの可能性について議論を始めて…

私「金継ぎは何を使って陶器を直す? …漆と金!!?」

「このビジネスを選んだとして誰が金継ぎするの?…えっ、僕らがすんの!?」

「陶器一つ直すのに必要なコストは?」

「マーケットで金継ぎされた商品、金継ぎ修繕サービスはいくらで売られてる?」

「US, UKではなぜブームになった?その理由はスペインでも当てはまる?」

「僕らのpriceは?break evenは?」

「僕らがこのビジネスをする意味は?」

  ・

  ・

  ・

Kさん「(私からの質問に答えながら、金継ぎの審美性、背後にある哲学、世界観を雄弁に淀みのない口調で語る)」

2018年3月13日17:55

私「これイケるんじゃない!?」

Kさん「うん、イケると思う。」

このとき私たちのビジネスが生まれました。

Kさんが「やっぱり”金継ぎ”ビジネスいいと思うんだよね。」と言ったとき、私は荷物をまとめてもう帰ろうとしていましたが、なぜかKさんが呟くようにそう言いました。この会議室、そのときの風景、Kさんが呟いたときの表情を今でも鮮明に覚えています。

Entrepreneurがビジネスを成功させるには ”人を魅了し巻き込む” ことが大事だとEntrepreneurshipの教授が言っていました。

今振り返ってみると、pros & consで言えば、残っていた他のビジネスアイデアも金継ぎビジネスも大きくは変わらなかったのかもしれません。でもKさんの力強い言葉、熱いstory tellingが「このビジネスって面白そう」、「このビジネスはイケる(かも)」と私に信じさせたのかもしれません。

「面白い」と” 自分達 ”が思い、「このビジネスはイケる」と” 自分達 ”が信じること。

当たり前かもしれませんが、これは本当に重要です。夏の間、ビジネスを進めていくと幾つもの壁に当たりますし、教授陣からは厳しい言葉(アドバイス)も飛びます。心が折れそうになります。でも「このビジネスは絶対に成功する。成功させてみせる。」と自分達が思う気持ちがビジネスをdriveする一番大事な力だと私は感じました。

今思えばKさんの ”Passion” が全ての始まりだったのかもしれないと思います。

この続きは次回以降に他のメンバーより書かせて頂きますが、私の感想としては、敢えてこういう言い方をさせてもらいますが、

「本当にむちゃくちゃ楽しい夏でした」

ではこの続きはKさん!! 宜しくお願いします!!

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