こんにちは。CO25のToshiです。
MBA1年目が終わって早2か月が経ちました。時間が経つのは本当にあっという間です。
このブログを書くことで、これまでの道のりを振り返る良い機会になると思い、執筆することとしました。前編・後編に分けて書くこととしたので、今回は前編です。MBA受験を考えている方やIESEの学生生活に興味がある方など、多くの方に読んでいただければ嬉しいです。
Contents
- 1. 受験までの経緯(2012年~2014年):海外MBAを志す
- 2. 受験勉強(2014年~2022年12月):まさか9年も費やす
- 3. 合格直後~渡航まで(2022年12月~2023年7月):理想と現実は違うもの
- 4. 渡航後~スペイン語事前コース(BSP)開始まで(2023年7月~2023年8月):バルセロナ初上陸!!
- 5. Business Spanish Program開始~1学期開始まで(2023年8月~2023年9月):周囲の人に感謝
- 6. 1学期(2023年9月~2023年12月):スタート地点
- 7. 2学期(2024年1月~2024年3月):挑戦と成長の2学期
- 8. 3学期(2024年4月~5月):Connecting Dots
1. 受験までの経緯(2012年~2014年):海外MBAを志す
私はIESEに入学するまで、旅行を除く海外経験は全くありませんでした。そんな私にとって、海外MBA留学は夢であり、「いつか絶対叶えてやるぞ!!」という気持ちが強くありました。何故か。理由は3つあります。
① キャリアチェンジの機会が得られると思ったこと
MBA業界においては、働く場所(Location)、職種(Function)、業界(Industry)の3つ全て変えることをTriple Jumpと言います。MBAを取らずに転職することもできましたが、Triple Jumpのような大きなキャリアチェンジは難しいと考えていました。もちろん、「MBAを取れば必ずキャリアチェンジできる」とまでは言いません。ただ、少なくとも今の私は、インターンシップにおいて、バルセロナのアセットマネジメントで投資の仕事をしており、これはMBAがなければ得られなかった機会だと思います。前職も金融機関に勤めていましたが、投資の経験は全くありませんでした。
② グローバルリーダーになるために、MBAが必要だと思ったこと
大学生の時にMBAについて調べていた際、新浪さんや富山さんのような著名な経営者や多くのグローバル企業の経営陣がMBAを持っていることに気付き、一つの成功ルートとして、海外MBAを取得するという道を知りました。経営に必要なハードスキル・ソフトスキルの双方を習得できる場として、海外MBAは理想的であると考えました。
③ 海外MBAに行けば人生が変わると思ったこと
上記の2点と比べるとざっくりとした理由で恐縮ですが笑、一番大きな理由かもしれません。海外MBAについて調べていた際、「超一流MBA校で戦う日本人」という記事と、「世界最高峰ビジネススクールの人生を変える言葉」という本を読み、実際にMBAを取得した人たちの体験記に強く感化されました。「MBAに行けば人生が変わる、道が開ける」という直感を持ちました。一度しかない人生、今ここで行動しなければ後で絶対に後悔すると思いました。
これら3つの理由から、MBA受験に飛び込みます。
2. 受験勉強(2014年~2022年12月):まさか9年も費やす
思い切ってMBA 受験に飛び込んだものの、大学時代に英語の勉強をさぼっていたつけか、英語のスコアが上がりません。結果、受験勉強に9年も費やし、受験団体や予備校に多くの資金を投資しました笑。ただ、唯一私が誇れるのは、諦めずに取り組みを続けてきたことです。
IESEも一度不合格になった後、1年後の再受験で合格しました。一度不合格になったときは落ち込みましたが、仕方ないとも思っていました。
まず、IESEは英語のコミュニケーション能力を重視する学校ですが、面接やAssessment Dayで英語のコミュニケーション能力が足りていなかったと感じます。また、「MBAに行きたい!!」という気持ちだけが前面に出ていて、エッセイにおいて、MBAの期待値と効用などを論理的に詰め切れていなかったです。
そのため、不合格になったことを前向きに捉え、もう一度頑張ろうと思いました。結果、最終的にはIESEに合格し、自分の努力が実ったと感じています。諦めずに取り組みを続けることが最も大事です(なお、私の受験体験について知りたい方は、合格体験記を読んで頂ければ幸いです)。
3. 合格直後~渡航まで(2022年12月~2023年7月):理想と現実は違うもの
合格直後は非常に嬉しかったですが、7月の渡航が近づくと、初めての海外経験に不安の方が大きくなってきました。「本当に大丈夫なのか?」、「スペインで生活できるのか?」、「体調が悪くなったらどうしよう?」とネガティブなことばかり考えていました。コロナ禍で、あまり外出もしていなかったので、当時はメンタル面でも内向的になっていたように感じます。そして、出国が近づくと、不安はピークに達します。それでも、「Everything will be okay in the end」という心の声に従い、7月にバルセロナに渡航します(それに会社も退職しており、今更引き返せません)。
4. 渡航後~スペイン語事前コース(BSP)開始まで(2023年7月~2023年8月):バルセロナ初上陸!!
不安と緊張を抱えながらも、飛行機から見えるバルセロナの街並みに高揚感を感じ、バルセロナに初上陸します。レンガ造りの建物を中心とした街の雰囲気は、日本にはないもので、自然とテンションが上がりました。一方で、空港に到着して寮に向かうタクシーの中では、良く分かりませんが凄く緊張をしていたのも覚えています。
そして、案の定ホームシックにもなりました笑。ただ、バルセロナに早めに到着していた他国の同級生と交流する中で、海外経験が初めてという人は思ったより多くいることに気付きます。また、他の同級生も、MBA生活に期待と不安の両方を感じていることも分かりました。そういった同級生と話すことで、「大変なのは自分だけではない」ということが分かり、少しずつ気持ちも前向きになっていきました。
5. Business Spanish Program開始~1学期開始まで(2023年8月~2023年9月):周囲の人に感謝
生活にも慣れてきて、「何とかなるのでは」と思ったのも束の間、8月にコロナに罹患します。39度~40度の高熱でのたうち回り、慌てて病院に駆け込みます。スペインに来て初めて体調を壊したこともあり、この時は本当に焦りました。身体の調子が悪いと、メンタルもネガティブになるもの。「このまま熱が下がらなかったらどうしよう」、「9月の授業に参加できるんだろうか」とかそんなことばかり考えていました。
ただ、この時期は本当に多くの人に助けられました。日本人同級生が必要なものを差し入れてくれたり、海外の同級生が心温まるメッセージをくれたりと、本当に感謝しています。結果、BSPは全休しましたが、幸いにも無事回復。今思えば、学期が開始する前に免疫を付けられて良かったと思います笑
6. 1学期(2023年9月~2023年12月):スタート地点
期待と不安が入り混じりながらも1学期がスタート。チームメートおよびクラスメートと初対面し、早速海外の洗礼を受けます笑。
例えば、入学式のチームランチで、初対面にも関わらず、チリ人のチームメートが「Hey Man」と言いながらハグをしてきた時は、何が起こっているのか理解できませんでした。また、5分以内で自己紹介をする際、チームメートのカナダ人が5分を余裕で超過し、10分位自己紹介した後、「10分じゃ足りないわ」と言ったのは衝撃的でした。そして、皆とにかく良く喋ります。私の印象では、日本人は空気を読む、相手の発言を待ってから自分の発言をするのに対し、海外の同級生はとにかく自分から話します。「まあ黙っていてもそのうち誰かが話を振ってくれるだろう」と考えていましたが、誰も話を振ってくれません。スタートから大いにカルチャーショックを受けました。
それでも念願のMBA留学を叶え、爪痕を残そうと必死だったので、最初の自己紹介で「You can call me Toshi. Typical Japanese name, typical Japanese face, and typical Japanese character, so it’s easier for you to remember」とか、「I am sure that this class is the best」と言い、積極的に同級生の受けを取りに行っていました。この積極精神は同級生にも認められたので、思い切って行動して良かったと思います。。
授業では、皆積極的に手を挙げて発言します。授業のテンポも早く、英語が苦手な自分はついていくのに必死でした。ただ、IESEは授業における発言が成績評価に反映されるシステムとなっています。そのため、教授やクラスメートの発言が理解できているか怪しい中、「あたって砕けろ」の精神で思い切って手を挙げて発言していました。その姿勢で臨んだ発言は意外とクラスメートに受けます。例えば、Strategyの授業で、「AとB、どちらの街に工場を作るのが良いか」と教授が質問した時、私は迷わず手を挙げ、Bと答えます。「理由は?」と聞かれ、全く理由を考えていなかった私は「Intuition」と回答し、非常に受けました。英語のコミュニケーションが得意でなくても、「自分の意見を伝える」という姿勢が大事であることを学びました。
授業外では、積極的にクラスメートと交流していました。金曜日や土曜日は、皆でご飯を食べに行ったり、スポーツを一緒にしたりするなど、クラスメートと多く交流していました。筆者は日本では7年間お酒を飲んでいませんでしたが、バルセロナの気候やIESEの仲間たちに触発され、お酒もバルセロナで解禁しました。 IESEのクラスメートは優秀かつ良い人が多いです。そして、基本的にみんなポジティブシンキングで、精神的にタフです笑。詳しくは後編で述べますが、そんなクラスメートから学ぶことは多く、クラスメートから貰った言葉は今でも自分の自信になっています。また、最初は、自分から同級生に話しかけるのに躊躇することも多かったですが、徐々にそれもなくなり、自分もオープンマインドになっていきました。
7. 2学期(2024年1月~2024年3月):挑戦と成長の2学期
2学期になると要領は掴めてきて、授業には慣れてきました。
ここで漸く就活を開始します。1月になると、インターンの内定が出る同級生も増えてきます。それまでほとんど就活をしていなかった自分は相当焦りました。大急ぎでCV、カバーレターなどを作成し、ネットワーキングを行います。アプライできる企業にはできる限り応募しました(日本と海外を併せて20社~30社程度)。ここでも助けとなったのは周囲のサポートです。IESEのキャリアセンターの人からはCVやカバーレターを添削してもらいました。チームメートは、自身の就活で忙しい中、面接の練習をしてくれました。2年生の日本人は、アプライ先の企業を紹介してくれました。多くのサポートを受け、3月にバルセロナにあるアセットマネジメントからインターンシップの内定を貰うことができました。Jobの公示前からファンドマネージャーに会うなど、積極的なネットワーキングが内定獲得に繋がったものと思います。
2学期は、アカデミックと就活の両立が大変でした。チーム課題も増えるため、就活の面談とチームワークが重ならないように調整することに最も苦労しました。また、思うようにチームに貢献できないことにもどかしさを感じていました。英語力やハードスキルの差もありますが、単純に自分より優秀なチームメートが多かったです。具体的には、各授業の抽象的で難易度の高い課題に対して、最終的な成果物を意識し、何が必要か、どういった道筋で取り組んでいけばよいのかを見極めるスピードが高いです。また、私のチームは個の能力は非常に高いですが、個性も強かったので、その中で自分の意見を主張することにも苦労しました。それでも、課題のボリューム感やどれだけ大変かが分からない中、素早く意思決定をして積極的に課題に取り組む姿勢は、当時の私にはないもので、大いに見習うべきものでした。これらのチームワークを通じて、大いに成長できたと思います。
授業外では、2学期はマルチカルチという所謂IESEの文化祭があり、各国が自国の出し物や料理を披露します。それが非常に楽しく、Team Japanも出店したほか、ステージでパフォーマンスを披露し大いに盛り上がりました。また、クラスメートとも1学期より仲が良くなり、クラスメートの家で誕生日パーティーをしたり、カラオケに行って日本の歌を唄うなど笑、大いに楽しい時期を過ごしました。
8. 3学期(2024年4月~5月):Connecting Dots
1年目最後の学期です。インターンの内定も獲得し、精神的に少し余裕が出てきたので、フォーカスする分野を決めました。アセットマネジメントでインターンをすることが決まっていたので、ファイナンスにフォーカスすることに決めます。
3学期のチームワークが自身を最も成長させました。具体的には、初対面にも関わらず、ハグをしてきたチリ人のチームメート(笑)と多くの課題を一緒に行い、それが大きな財産になりました。Global Economicで将来のアメリカの財務持続性を予測する課題、Corporate Financeで企業の財務分析を行いその会社に投資するか否かを決める課題などに一緒に取り組みましたが、有意義な経験となりました。そのチームメートは、複雑な問題をシンプルに考えることや、筋道を立てて問題を解決していく能力が高く、彼の思考プロセスを学べたことが大きかったです。例えば、プレゼンテーションを行う際、彼から貰ったアドバイスの一つに「7歳の子供でも分かるような説明をする」というものがありますが。このアドバイスに忠実に従い、Global Economicsの授業で、日本経済についてプレゼンをしたところ大好評でした。
授業外では、この時期になるとより仲の良いクラスメートが出てきて、彼ら(彼女ら)とMBA卒業後のキャリア、今後の人生をどう生きていきたいかなど、よりパーソナルな話をすることが多くなりました。最も嬉しかったこととして、IESEの各セクションではCoW(Comment of the Week)と言って、授業中に最も面白かった発言をクラスの生徒間で投票して表彰する取り組みがありますが、年間のThe Best of CoWに選ばれたことです。また、「10年後に最も有名になりそうな人」にもクラスメートに選んで貰いました笑。その外には、クラスの日本人同級生と協力し、セクションでJapan Dinnerを開催したところ、64人が参加し、大盛況となりました。
1日単位でみると実感はありませんでしたが、後から振り返ると、3学期になって漸く点と点が繋がって線になったと思います。1年目が終わることに一抹の寂しさを感じつつも、5月30日に1年目の終了を祝うGalaが開かれ、クラスメートとワインを片手に思い出を語り合い、1年目が終了しました。
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いかがでしたでしょうか。ここまでが私のこれまでの体験談です。
長文をお読みいただいた読者の皆様ありがとうございました!!私はIESE MBAに来た決断は絶対に正しかったと思いますが、実際にMBAに来て何が変わったのか、そして受験を考えている方々へのメッセージなどついては、後編で書く予定です。後編もお付き合いいただければ幸いです。Hasta Luego!!